2020.7.9 令和元年度、査察の概要。その2
先日、国税庁より令和元年度の査察の概要が発表されました。
今回の国税庁の取組としては、消費税還付事案、無申告ほ脱事案、国際事案を中心に、現下の経済社会情勢を踏まえて対処しているようです。
中でも、国際事案は年々告発件数も増加傾向にあり、令和元年度は25件(平成30年度は20件)の告発がありました。
国際事案の具体的な事例として、多額の売上代金が入金された国外預金を有していたにもかかわらず、正当な理由なく国外財産調書を提出期限までに提出していなかったため、国外財産調書不提出に係る罰則が初めて適用して告発されたものもありました。
また、消費税還付事案は平成30年度に過去5年間で最も多い16件を告発、昨年の令和元年度は11件となっています。
具体的な事例で、消費税の不正還付事案をご紹介します。
貿易業を営む会社の実質経営者であるAは、取引実態がないにもかかわらず、国内での宝飾品仕入(課税取引)を装い架空仕入を計上するとともに、香港法人への販売を装い架空輸出売上(免税取引)を計上する方法により、多額の消費税還付金額を記載した内容虚偽の消費税の確定申告を行い、不正に消費税の還付を受けました。
このように売上でも、輸出免税制度により消費税を納めなくてもよい海外法人への売上を利用した不正還付事案などもみられました。
昨年の10月1日からの消費税10%への増税となり、ますます消費税による税収が増加する中、このような不正還付業者を取り締まることで、正しく申告している方々への調査等による確認の事務負担が増えないようになればと思います。
記:資産家を応援する相続の専門家:税理士法人レガシィ 三澤郁夫 4365
(幸せなキャッシュフロープロジェクト)(もめない・もめさせない遺産相続プロジェクト)