2017.2.8 預貯金も遺産分割の対象と判断-最高裁 その2
2017.2.8 | カテゴリ:相続応援日記, 相続関連情報
昨日に引き続き表題の話です。
昨年12月19日の最高裁の裁判事例を簡単に説明しておきましょう。
被相続人Xに対して相続人はAとBの2人です。
Xの遺産は預貯金4,000万円。
Aは、5,500万円の生前贈与を受けていました。つまりAには特別受益5,500万円があることになります。
Aは、「預貯金は遺産分割の対象外だから4,000万円の1/2の2,000万円を取得する権利がある」と主張しました。(Aは特別受益5,500万円と合わせて7,500万円の財産を取得することになります)
Bは、「預貯金も遺産分割の対象であり、特別受益5,500万円を加えた9,500万円の1/2である4,750万円を取得する権利がある」と主張しました。
最高裁は、「預貯金も遺産分割の対象となる」と判断、Bの主張を支持し、具体的な相続内容を改めて決めるため審理を高裁に差し戻しました。これまでの判例を180度変更することとなったのです。
判旨によると、「遺産分割の仕組みは共同相続人間の実質的公平を図ることを旨とするものであることから、遺産分割においては被相続人の財産をできる限り幅広く対象とすることが望ましい」という点、「預貯金は預金者のおいても確実かつ簡易に換価することができるという点で、現金との差をそれほど意識させない財産であると受け止められている」点から預貯金
は遺産分割の対象となる、という結論に至りました。
記:資産家を応援する相続の専門家:税理士法人レガシィ 大口 亮 3534
(幸せなキャッシュフロープロジェクト)(もめない・もめさせない遺産相続プロジェクト)