2019.7.29 遺言のおさらい(自筆証書遺言の内容を訂正・変更する場合)-その6
2019.7.29 | カテゴリ:相続応援日記, 相続関連情報
民法968条3項は、自筆証書遺言の内容を訂正・変更する方式として、
「遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。」
と定めています。
上記方式を充たしていない場合には、遺言に訂正・変更がなされなかったものとして扱われ、判例上、遺言自体も無効とされてしまった事例もあります。
もっとも、判例は基本的には、遺言自体は有効とする柔軟な解釈をする傾向にあります。
遺言内容について相談を受けた弁護士が、遺言者の依頼を受けて不明瞭な個所の文意を明確にする訂正を行い、遺言者の署名もされなかった事例については、
「右加除変更部分は本件遺言中の僅少部分に止まり付随的補足的地位を占めるにすぎず、その部分を除外しても遺言の主要な趣旨は表現されているばかりでなく、右加除変更が遺言者の意思に従ってなされた」
ことを理由に、遺言は有効であるとの判断をくだされました。
遺言全体が無効となるか否かは、変更・訂正箇所の重要性が基準となるものといえます。
記:資産家を応援する相続の専門家:税理士法人レガシィ 八杉 努 4135
(幸せなキャッシュフロープロジェクト)(もめない・もめさせない遺産相続プロジェクト)