2019.3.22 遺言のおさらい(自筆証書遺言に記載する氏名)-その3
2019.3.22 | カテゴリ:相続応援日記, 相続関連情報
今回は、自筆証書遺言に記載する氏名の形式面について、お話ししたいと思います。
自筆証書遺言の氏名の記載場所について、法律上の定めはありません。
遺言の末尾に行を改めた上で、日付と共に記載されるのが通常の形式と思われますが、遺言の冒頭に「私〇〇は次のように遺言します」とだけ記載した場合であっても、有効な氏名の記載であるものといえます。
自筆証書遺言に氏名を記載することが必要とされる法の趣旨は、遺言者が誰なのかを明らかにすることにあるため、上記文例でもその趣旨を充たしているといえるからです。
このため、遺言本文中に氏名の記載があるのであれば、末尾に「△△の父」や「上記の者」とのみ記載されている場合であっても、上記趣旨を充たしているため、有効な氏名の記載であるものと考えられます。
もっとも、末尾に「△△の父」と記載され本文中に氏名が記載されていない場合の取り扱いについては、判例もなく学説上も不明なため、上記趣旨を充たしていないと解される可能性があります。
奇をてらわず、通常どおり末尾に氏名を記載することが一番安全な方法であるといえます。
記:資産家を応援する相続の専門家:税理士法人レガシィ 八杉 努 4051
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