2019.10.23 遺言のおさらい(公正証書遺言の「口授」について)-その3
2019.10.23 | カテゴリ:相続応援日記, 相続関連情報
民法969条は、公正証書遺言作成の方式として、「遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。」を要求しています。
「口授(くじゅ)」とは、遺言者が遺言の内容を直接公証人にたいして口頭で伝えることを意味します。
同条に規定されている手続きの順番としては、「口授」の次に公証人の筆記が行われることになっています。
しかし、実際は、この「口授」に先立って公証人に遺言内容が伝えられており、遺言者が「口授」を行う時点では、既に筆記された内容と違いがないかの確認が行われます。
その理由としては、
・その場で一から筆記していたのでは、財産内容が複雑な場合、一日かけても終わらない可能性があること
・遺言者が高齢で財産内容を言い間違えてしまった場合に、その場で確認できること
等が挙げられます。
「口授」が要件とされた趣旨は、正確な内容の遺言を作成することにあります。
上記の理由からすれば、手続きの順番が条文と異なっていたとしても、このような実務上の運用は、遺言者の真意を反映したものである限り、その趣旨を損なうものではないといえます。
記:資産家を応援する相続の専門家:税理士法人レガシィ 八杉 努 4192
(幸せなキャッシュフロープロジェクト)(もめない・もめさせない遺産相続プロジェクト)