2019.12.3 遺言のおさらい(公正証書遺言への署名押印)-その4
2019.12.3 | カテゴリ:相続応援日記, 相続関連情報
今回は、公正証書遺言への署名押印についてお話したいと思います。
公正証書遺言の作成手続きの一つとして、民法上、遺言者及び証人が、公証人の筆記した内容が正確であることを承認した後、各自が遺言書に署名押印することが規定されています。
その趣旨は、遺言者の意思に基づいて公正証書遺言が作成されたことを、遺言者本人と証人が認め、遺言書を完成させる意思を示すことにあります。
このため、署名は正確に記載されている必要がありますが、遺言者の署名が判読困難な場合でも、要件を満たしているとした判例があります。
もっとも、この判例の事案では、
1.文字が判読困難であっても、氏名の記載であることは明らかであること、
2.遺言者本人が公正証書の遺言者欄に自己の氏名として自署したこと
3.署名の現場に立ち会った法律の専門家である弁護士、公証人が、遺言者の署名であることに疑問感じておらず、代筆や書き直しなどの措置を執らなかったこと
という事情が考慮され、遺言者の署名の要件は満たされているものと判断されました。
趣旨を損なわない諸事情の存在により、柔軟な判断がなされたものといえます。
記:資産家を応援する相続の専門家:税理士法人レガシィ 八杉 努 4220
(幸せなキャッシュフロープロジェクト)(もめない・もめさせない遺産相続プロジェクト)