2017.1.19 税制改正にみる政府の思惑。その2
平成29年度の税制改正に関連する話をさせていただきます。
引き続き法人税の話題です。
法人税は、その時代の政府の経済政策が色濃く反映されます。
今日は「所得拡大促進税制の見直し」について取り上げます。
この税制は従業員の給料を一定以上増加させた場合に法人税を安くします、というものです。
今回の改正で、「従業員1人あたりの平均給与額を前年度比2%以上アップさせる」という条件が加わりました。「2%」というと簡単そうですが、人の入れ替わりがあるなかで平均給与を2%上げるのはかなり大変なことです。
年功序列の給与体系をもつ会社で定年退職者が大量にでると達成するのはほぼ不可能です。クリアできるのは退職者が少なく業績が伸びている若い会社くらいでしょうか。
中小企業については、この条件をクリアできると増加額に対する控除率が10%から22%に上積みされます。
一方、大企業の場合、この条件をクリアできない場合、まったく減税を受けられなくなってしまいます。クリアできても控除率が10%から12%に小幅に上積みされるだけです。
大企業は内部留保があるから、賃上げに協力して当たり前、ということでしょうか。
記:資産家を応援する相続の専門家:税理士法人レガシィ 大口 亮 3519
(幸せなキャッシュフロープロジェクト)(もめない・もめさせない遺産相続プロジェクト)