2015.1.27 理由附記の不備で相続税の課税処分取り消し。その2
2015.1.27 | カテゴリ:相続応援日記, 相続関連情報
理由附記という論点があります。
今回の税制改正後、初めて相続税において理由附記の適否が争われた事例が国税不服審判所平成26年11月18日裁決です。
本件の相続人は、相続税の申告書にあたり、被相続人には合資会社の無限責任社員として負っている債務弁済責任(合資会社の債務超過分)があるとして、約14億円を債務控除して申告しました。
これに対し税務署長は、債務弁済責任は債務として控除することはできないとして平成25年7月30日付けで相続税の更正処分をしました。
そのため、納税者が、原処分の全部の取消しを求めた事案です。
今回の課税処分の理由には以下のように書かれていました。
あなたは、本件申告において、合資会社の相続開始日における債務超過額14億0181万6220円を、同社の無限責任社員である被相続人の債務弁済責任に基づく債務であるとして控除していますが、相続開始日において、被相続人が上記金額に相当する債務を負っていたとは認められません。
したがって、上記金額に相当する債務については、相続税法13条に規定する『被相続人の債務で相続開始の際現に存するもの』には該当しませんので、債務控除は認められません。
これに対し国税不服審判所は、更正通知書に記載された債務控除に関する処分の理由には不備があり、理由附記の要件を満たさない違法な処分であるといわざるを得ないから、取り消すべきであると判断しました。
記:資産家を応援する相続の専門家:税理士法人レガシィ 風岡範哉。3039
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