2016.9.26 特別貢献親族の救済策。その3
2016.9.26 | カテゴリ:相続応援日記, 相続関連情報
本年6月21日、法務大臣の諮問機関である法制審議会の民法(相続関係)部会は、民法改正についての中間試案をまとめました。当ブログでも「民法(相続関係)等の改正に関する中間試案」(7月7~11日)でその概要を、「特別に貢献した人は報われる方向へ」(8月8~10日)及び「配偶者の相続分が変わる?」(8月30日~9月1日)でその各論を紹介しました。そして去る9月6日、当試案に関するパブリックコメントに応じて税理士法人レガシィとして意見書を提出しました。弊社のA先輩税理士とB後輩が先日このことで議論していたためご紹介します。
B後輩「レガシィ考案の貢献親族救済策、こんなにあったんですね。他にもあるんですか?」
A先輩「うん、最後に4つ目として『貢献親族の配偶者である相続人に対して遺留分の減殺請求があった際、当該遺留分を消滅させる対価とする方法』だ。貢献親族の配偶者である相続人(例えば長男)に対して多くの財産を取得させる旨の遺言があった場合を想定しているんだ」
B後輩「これも3つ目と似ていますね。貢献親族である奥様には一義的には何にも与えずにそのご主人に有利になるように計らっているんですね。でも1つ目から3つ目とは何か違うような」
A先輩「1つ目から3つ目が積極的に貢献親族やその配偶者を救済するのに対し、4つ目は消極的救済という性格があるね。遺留分減殺請求があっても遺留分をそのまま渡さなくてもよい、つまり遺留分の一部は引き渡す必要はない、というリスクのマイナス的な考え方だからね」
B後輩「その『一部』の明確な基準も案として出されたんですか」
A先輩「うん、『1億円と遺留分の1/2相当額とのいずれか大きい金額』っていう案が明確な基準の例示として出されたよ」
B後輩「なるほど。それにしても4つ目がもし民法改正として適用されたら遺言がより被相続人の意思通りに進むことになりますね」
A先輩「うん。あと1つ目から4つ目まで含めて言える話だけど、その前提として『貢献』の事実認定が大事になるんだ。その方法も提案したんだけど、今回は紙面の都合上割愛するね」
記:資産家を応援する相続の専門家:税理士法人レガシィ 天野大輔 3445
(幸せなキャッシュフロープロジェクト)(もめない・もめさせない遺産相続プロジェクト)