2014.6.3 所得税の配偶者控除見直し議論。 その3
平成26年度の税制改正が施行されて2ヶ月、議論は来年度の税制改正に向けて動き出しています。
今回は所得税の配偶者控除がテーマです。
配偶者控除の趣旨は「最低生活費控除」とされています。
その観点でいけば「配偶者特別控除」は存在意義が無く、「配偶者控除」も配偶者に収入がある場合は基礎控除を受けているのだから二重控除ではないか、との意見があります。
余談ですが、相続税にもご存知の通り「配偶者の相続税額の軽減」という制度があります。
配偶者が相続または遺贈により取得する財産は、法定相続分(1億6,000万円以下の場合は1億6,000万円)まで相続税が課されません。
この制度の趣旨は、生存配偶者の老後の生活の保障や、遺産の維持形成に対する配偶者の貢献を考慮して、とされています。
その一方で、同一世代間の財産の移転であるから、次の相続、夫婦の年齢が近い場合は遠からずのうちに課税ができるという事も想定されています。
裏を返せば、年の離れた夫婦ではこの趣旨は成り立ちません。
どれも言っていることは分からないでもないのですが、視点が変われば結論も変わってきます。
いずれにせよ、相続税や所得税といった個人課税強化の方向は変わらないようですから、家族形態などが制度の制定当初と変わってきている昨今、その議論は一元的な視点ではなく多面的に行っていただきたいものです。
記:資産家を応援する相続の専門家:税理士法人レガシィ 三澤郁夫 2884
(幸せなキャッシュフロープロジェクト)(もめない・もめさせない遺産相続プロジェクト)