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ブレークスルー 天野紹子著

『ブレークスルー』

レガシィマネジメントグループ COO・
天野 紹子 著 (2014年9月14日発行)

 夫が代表をつとめる税理士法人に入社した著者。会社は、顧客が思うように獲得できない、好ましい提携先が見つからない、採用が思うようにできない、ニーズに合わせた生産体制が整っていないなど、さまざまな面で理想的な出口が見出せない状況にあった。そうしたなか、著者はさまざまな改革を行い、結果的に課題解決の突破口を開き、会社の業績アップに貢献した。その手法とはどのようなものであったか。

 著者は、【ブレークスルー=真の問題を見つける×深く考える×ブラッシュアップ】と考える。

 まず「真の問題を見つける」こと。真の問題とは本質的な原因である。問題設定を間違えたら一生懸命問題に向かっても成果は上がらない。真の問題を見つけるため、著者は理想の状態を思い描く。「理想を思い描けば、行き先がわかる、現状を把握すれば、問題点がわかる、その差を認識すれば、真の問題がわかる」と著者は語る。

 次に、「深く考える」こと。著者が4つコツを披露してくれる。
 1つ目は、「相手の立場に立って深く考える」。問題とは誰の問題であり、その人はどんな答えを望んでいるか。自分が決めた問題を解き、納得する答えを得ても、独りよがりなことが多い。解くべきは相手の問題を徹底的に考える。
 2つ目は、「3つの目で深く考える」。「鳥の目」「虫の目」「魚の目」の3つの目を使い分ける。経営者や幹部は、大所高所からの目(鳥の目)でビジネスを見ることが多く、現場の目(虫の目)を忘れがちだ。一方、社員は日々の業務や目先のトラブル(虫の目)に追われ、全社や市場全体の目(鳥の目)を忘れがち。自分が物事を考えているとき、もし鳥の目で考えていたなら虫の目に切り替えて考え直す、うまくいかない時は、時代の流れを意識する目(魚の目)に切り替えて考え直す。
 3つ目は、「人に会った後の余韻で深く考える」。人に会うと思考に化学反応が起き、自分の中に眠っていた考えが呼び起こされる。それまで立てていた仮説とは180度違うものが思い浮かぶこともある。
 4つ目は、「時間に縛られずに深く考える」。一定時間内に効率よく答えを出すだけでは、改善はできてもブレークスルーは難しい。少し考えて出た答えは、思いつきにすぎない。真の問題を探すときも、問題の答えを導き出すときも、時間は区切らず考え続けることが重要だ。

 最終的には「ブラッシュアップ」の大切さを説く。著者は、深く考えた末に浮かんだアイデアを人に話す。声に出すことで新たな発想が生まれたり、整理されたりする。よいアイデアかどうかもわかる。こうしてアイデアをブラッシュアップした後、明確にまとまってからメモ書きする。なぜ途中で書かないか。それは書いた時点で思考が止まるからだ。書いた時点で新たに涌き上がるアイデア、深く堀下げていく思考がストップするという。

 本書のノウハウは以下の8つに集約される。
①ブレークスルー(行き詰まりを打開するアイデア)は、真の問題を見つける×深く考える×ブラッシュアップから生まれる。
②真の問題を見つけることが大切。問題設定を間違えたら、一生懸命問題に向かっても成果は上がらない。問題解決能力の高い人とは、真の問題の見極めがうまい人。
③深く考え抜くコツは4つある。それは「相手の立場に立って深く考える」
「3つの目で深く考える」「人に会った後の余韻で深く考える」「時間に縛られずに深く考える」。
④相手の気持ちに深く入ることで、課題を突破する気づきを得ることができる。売り手ならば買い手の立場で、上司ならば部下の立場で考えることによって、新しい気づきが得られる。
⑤鳥の目(大所高所からの広い視野で物事全体を見つる)、虫の目(足元を見つめ直す)、魚の目(時代の流れを見極める)を使い分けると考えを深めることができる。
⑥人に会うことで思考に化学反応が起きる。自分の中に眠っていた考えが呼び起こされることもあるし、別の考えが思い浮かぶこともある。
⑦時間に縛られずに深く考える。真の問題を探すときも、問題の答えを導き出すときも、時間は区切らず常に考え続けることが重要。
⑧アイデアは思いつきにすぎないから、すぐにはまとめない。声に出して話したり、誰かに聞いてもらったりしながら、考え続ける。アイデアが明確にまとまってから人に伝えるためにメモ書きする。
 こうしたノウハウについて、著者が実体験を交えながら具体的に語る。

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